面談後
応募前に求人票で確認する労働条件
求人票は会社名や年収の数字だけで比べず、募集の時点で示すことが決まっている項目がそろっているかを先に見ます。足りない項目は、応募する前に紹介会社か募集企業に聞きます。
募集時に示すことになっている項目
求人企業や職業紹介事業者は、募集や職業紹介のときに労働条件を明示する必要があります。厚生労働省の求職者向けリーフレットは、最低限明示しなければならない項目を次のように示しています。紹介された求人票をこの表と並べ、空いている行に印を付けます。
| 項目 | 記載例で示されている書き方 | 求人票にあったか |
|---|---|---|
| 業務内容 | 雇入れ直後の業務と「変更の範囲」を並べて書く | |
| 契約期間 | 期間の定めの有無。有期なら更新の有無・判断基準・更新上限 | |
| 試用期間 | 有無と期間(例: 3か月) | |
| 就業場所 | 雇入れ直後の場所と「変更の範囲」 | |
| 就業時間・休憩・休日 | 始業・終業の時刻、休憩時間、休日 | |
| 時間外労働 | 有無(例: 月平均20時間)。裁量労働制ならその旨とみなし時間 | |
| 賃金 | 月給など。試用期間中に違うならその額。固定残業代は次の節の3点 | |
| 加入保険 | 雇用保険、労災保険、厚生年金、健康保険 | |
| 受動喫煙防止措置 | 例: 屋内禁煙 | |
| 募集者の氏名又は名称 | 例: ○○株式会社。派遣労働者として雇う場合はその旨 |
広告の欄が足りないなどの事情があれば、「詳細は面談時に」として一部を後で示すこともできますが、その場合も原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに全ての条件を明示することになっている、とリーフレットは説明しています。面接の過程で当初の条件が変わったときは、企業はその変更内容を明示する必要があります。最初の面接が近づいても空欄が埋まらない行は、その行の名前を挙げて聞きます。
固定残業代は3つの記載がそろっているか
時間外労働の有無にかかわらず一定の手当を払う、いわゆる固定残業代を採る求人について、同じリーフレットは次の3点を書く例を示しています。
- 基本給の額(固定残業代の手当を除いた額)
- 固定残業代の手当の名称、何時間分か、その金額
- その時間を超えた時間外労働の割増賃金は追加で払うこと
月給の総額しか書かれていない、又は「みなし残業含む」とだけある場合は、この3点のどれが欠けているかを示して質問します。手当は名称だけで受け取れると決めず、支給条件と金額を確かめます。金額から手取りや年収を予測するページではありません。
「変更の範囲」は将来の配置転換を含む
2024年4月1日から、募集時に明示する事項に、業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期契約を更新する場合の基準が加わりました。リーフレットは、「変更の範囲」を雇入れ直後に限らず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、契約期間中の変更の範囲と説明しています。記載例には「本社および全国の支社、営業所」「製造業務を除く当社業務全般」のような書き方があります。
転勤を避けたい人は、雇入れ直後の勤務地だけで判断せず、変更の範囲の欄を読みます。在宅勤務や配属は求人票に書かれていないこともあるため、推測で補わずに質問します。
自分の希望と、求人票で確認できた条件を分ける
表は印刷するか手元のメモへ写して使います。このページに入力・送信する欄はありません。「希望する年収」と「提示された賃金の内訳」、「希望勤務地」と「記載された就業場所」は別の欄に置き、希望が満たされるかをサイト側で判定しません。
| 項目 | 自分の希望・優先順位 | 求人票で確認済みの条件 | 未確認の質問 |
|---|---|---|---|
| 業務内容・変更の範囲 | |||
| 就業場所・変更の範囲 | |||
| 就業時間・休日 | |||
| 賃金・固定残業代 | |||
| 試用期間 |
求人を特定し、口頭説明は日付・相手・内容を残す
同じ企業でも、募集職種、勤務地、雇用形態が違えば別の求人です。企業名だけでなく、求人名又はID、閲覧日、求人票の記載日、応募窓口を残します。紹介会社のメッセージ、求人サイト、採用ページで記載が違う場合は、どれが正式な求人票か、現在の募集範囲はどこまでかを聞きます。リーフレットによると、募集情報を出す企業には、掲載した時点を明示するなどして情報を正確かつ最新に保つ義務があります。
紹介会社又は企業から口頭で説明を受けたときは、「いつ、誰から、何を聞いたか」を記録します。説明を受けたことは、応募や条件への同意を意味しません。質問は条件表を丸ごと送り直すより、差分か未記載の一項目に絞ります。以下の質問文・求人名・日付・数値は、記録方法を示すための架空例です。
| 項目 | 求人票の記載 | 質問例 |
|---|---|---|
| (架空例)固定残業代 | 月給30万円(みなし残業含む) | 基本給、固定残業代の金額と時間数、超えた分の扱いはどこに書かれていますか |
| (架空例)就業場所 | 東京本社とだけ記載 | 就業場所の変更の範囲はどの欄で確認できますか |
| (架空例)業務内容 | 企画 | 配属予定の部署と担当範囲、業務の変更の範囲を教えてください |
改訂版を受け取ったら、前の版を残す
改訂された求人票を受け取ったら、以前の版を上書きせず、記載日、ファイル名又は画面の更新日、変わった欄、受け取った相手を残します。業務内容の表現や選考期限が変わっていれば、応募する経路と回答期限も見直す対象です。同じ求人を他の紹介会社や採用ページでも見つけた場合、応募する経路は一つにします。
| 求人の特定 | 未確認点 | 問い合わせ結果 | 判断の記録 |
|---|---|---|---|
| (架空例)求人ID 123、9月18日版 | 配属先と業務の変更の範囲 | 9月20日に改訂版を受領 | 改訂版を読んでから9月22日に応募可否を回答 |
| (架空例)求人ID 456、9月18日版 | 固定残業代の時間数 | 期限までに未回答 | 応募は保留。回答が来たら読み直す |
「保留」は不採用や辞退を意味する記録ではありません。内定やオファーを受けた後は、ここで残した求人票と、企業が示す労働条件通知書等を照合します。
出典と確認範囲
公的資料は2026年10月3日に確認しました。個別の求人の内容、選考工程、応募の可否は、各企業・紹介会社の当日の案内を優先してください。
- 厚生労働省「求職者の皆さま 企業から受ける労働条件明示のルールが変わります!」(LL050628 需03)、同「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」: 募集時に明示する項目、固定残業代の記載例、変更の範囲の意味、明示の時期を確認。個別の求人票が適法かどうかの判断はしない。